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2016-05-29

氷室京介「LAST GIGS」2016年5月23日の最終公演に行きました(感想/レビュー)

氷室京介「LAST GIGS」2016年5月23日の最終公演に行きました。感想を書いてみようと思います。

kyosuke himuro lastgigs 氷室京介「LAST GIGS」2016年5月23日の最終公演に行きました(感想/レビュー)

これまでも氷室京介のライブや音源について書いてきた経緯もありますが、改めて氷室京介がライブ活動を休止するという意味の大きさに戸惑いながらもステージに立つ最後の姿を見なければならないという思いが強くありました。

氷室京介は楽曲、レコーディング、ステージパフォーマンスの全てにおいて緻密な計算をしたロックを作るミュージシャンなのですが、その彼が特定のトーンが聞こえない場合があるという耳の不調を訴えてこの「LAST GIGS」を最後としてステージには立たないという決断をしたのです。

当初は23日のチケットを取得することができず22日のみチケットを取得していましたが、(2016年5月22日のライブ記事はこちらです)後日ステージバックサイド・リアルビューイング席というステージ裏の追加席として設けられた座席のチケットが発売され23日のチケットも取得することができました。

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■ステージバックサイド・リアルライブビューイング席について■
※ステージの裏側に設置された指定席です
※特設LEDビジョンにより公演の模様をご覧いただく、リアルライブビューイング席となります
※ステージが見えないことをご了承のうえ、お買い求めください

ということですので、実際のステージは見えなくても会場の様子や雰囲気だけでも感じられたらそれで良いかなと思っていました。

kyosuke himuro lastgigs 20160523 3 氷室京介「LAST GIGS」2016年5月23日の最終公演に行きました(感想/レビュー)

「LAST GIGS」の東京ドーム3Days公演の最終日2016年5月23日(月)は飯田橋駅から裏道を通って東京ドームへ歩きました。昨日の公演に向かう時も歩いた道のりですが、今日は本当の最後の日ということもあり、朝から緊張感が抜けません。高鳴る気持ちというよりも、なんとしても見届けたいという気持ちと快く元気に送り出したいという気持ちがあったと思います。今日のチケットもチケットボードという電子チケットの仕組みで購入していたのですが、昨日とは違ってスムーズに会場に入ることができました。20分前には会場に入り座席に行ってみると、バックステージの暗幕は取り払われていて僕の席からはステージも微かに観ることができます。これはまさかの良席なのではないかと胸を躍らせることになります。

kyosuke himuro lastgigs 20160523 4 氷室京介「LAST GIGS」2016年5月23日の最終公演に行きました(感想/レビュー)

開演直前から東京ドーム全体のボルテージは最高潮に上がり待ちきれない観客は手拍子で氷室京介を引きずり出そうとします。僕は昨日に続き事前に買っていた「LAST GIGS」のマフラータオルを首に巻きつけて、いざライブの始まりです。

1曲目、熱狂と大合唱の「DREAMIN’」から始まりBOOWY時代の楽曲を中心に続きます。

前日22日の感想に続きこの日の氷室京介も顔がとても疲れているようにも見えました。観客との掛け合いを楽しみながら時折見せる笑顔が今日の観客のボルテージが氷室京介のテンションを引き上げていったように感じます。ライブのMCでは4月13日に発売されたオールキャリアベストアルバム「L’EPILOGUE」がチャート1位になって最後にもう一度担ぎ上げて感謝しているという内容の言葉がありました。LAでB’zの松本、GLAYのTAKUROと焼肉に行った話などがされて、冗談を交えながらも今後はアルバムでも気長に作ってみようかと思っているとのことでした。

あとは日本テレビのNEWS ZEROのプロデューサーが熱心に口説いてくれて「IF YOU WANT」を書き上げたという話の中で、「福山くんとか素晴らしいアーティストと肩を並べて俺なんかで良かったのか、きっとこんな俺なんで会社の中で反対意見もあったと思うのに感謝している」という内容の話もありました。氷室京介の口から福山雅治の名前が出てきたことがなんだか驚きました。

最後のライブなのにメンバ以外のアーティストの固有名詞を語るのは少し違和感もありましたが、最後に素の気持ちで話しているのだなと思えて良かったです。そして、氷室京介はこれまでのキャリアを総括していく中でミュージシャンとして人として他人に愛される存在になれたことを素直に喜んでいるんだろうと感じました。

前半は表情も固く少し疲れているように見えた氷室京介ですが、中盤頃から汗で髪型も乱れてきて衣装もシンプルなモノになった辺りから見る見るうちに精力が増していったというか、東京ドーム5万5千人の観客と戯れているかのような元気でオーラのある氷室京介に変化していったと感じました。最後に向かっていく中でより若々しくよりパフォーマンスが上がっていく姿を見て、これが本当にライブ活動を辞めていく人の姿なのだろうかと疑問に思うぐらいです。

左耳のイヤモ二を時折気にしながらも氷室京介は最後の夜をとても楽しんでいます。BOOWYやソロで盛り上がる楽曲が中盤以降に続き、「PLASTIC BOMB」、「WILD AT NIGHT」、「WILD ROMANCE」へと会場の中はまるで東京ドームのカラオケ大会となっています。そして本編の最後に「ANGEL」です。氷室京介がソロデビューした曲でシンボリックな存在の曲としてファンと共に歌い上げます。

アンコール後はしっとりとしたバラードから始まりました。「The Sun Also Rises」は後期の名曲ですね。この最後の日の為にあるのではないかと思えるような歌の世界に包まれます。まだ僕たちも若かった頃に発売された名曲、「魂を抱いてくれ」は優しくそして強く歌い上げます。「NO.NEW YORK」はBOOWYの頃の締め曲として位置していた曲だけあって、観客の熱狂は止むことはありません。

二度目のアンコールで「KISS ME」を演じてくれたのは嬉しかったです。この曲の格好良さはLRのギターのフレーズとキーボードのフレーズが被らないアレンジになっていてアンサンブルが絶妙です。氷室京介が8ビートのロックの頂点に君臨する所以だと思うのです。最後は客電を点灯した状態で皆で歌った「SUMMER GAME」です。氷室京介のキャリアの中でもビートロックな定番曲であるけれどもセカンドアルバム「NEO FASCIO」の中に入ると違和感のある曲でした。でもライブの最後の曲として定番化したこの曲は文句なしにポップチューンですね。

「SUMMER GAME」が終わり氷室京介はマイクをステージに置いたまま去りました。客電は点灯したままでしたが観客の歓声は止みません。あの空間の中で氷室京介をまだ終わらせないという一体感が会場全体を包んでいて、観客の一人一人の気持ちが高まった瞬間でもありました。

三度目のアンコールが始まりました。初期の定番曲である「SEX&CLASH&ROCK’N'ROLL」の中で改めてメンバ紹介をして、このライブは何処へ向かってどうやって終わるんだと思わせてくれます。そして、ドラムから始まる「B・BLUE」で会場のボルテージが最高潮に上がります。大合唱の「B・BLUE」これが氷室京介最後のライブの曲となりました。

後日、ギタリストのDAITAが予定されていたセットリストをSNSに公開していましたが、それには「SUMMER GAME」までしか演目はありませんでした。つまり、三度目のアンコールは本当のアンコールだったわけです。そして、ネット上ではこういう指摘もありました。「SEX&CLASH&ROCK’N'ROLL」は
氷室京介が「KING OF ROCK SHOW “FLOWERS for ALGERNON”」ツアーでソロになって初めての東京ドーム公演の1曲目が「SEX&CLASH&ROCK’N'ROLL」であること、BOOWYの東京ドーム「LAST GIGS」の1曲目が「B・BLUE」であることのシンボリックな展開で見えたという内容です。

「B・BLUE」が終わりこれで終わったのかどうか半信半疑でしたが、会場のスクリーンにはステージを下りて楽屋に向かう氷室京介が映し出されていました。「これ映ってんの?」っていう仕草をしていたので、本人はその演出を知らなかったのかもしれませんが、楽屋に向かい角を曲がって見えなくなった氷室京介を送り出し、会場は本当にもうこれで終わったんだという気持ちに変わっていったように思います。

最後が「B・BLUE」というのは本当にシンボリックな出来事ですね「B・BLUE」はBOOWY後期からは始まりの曲という役割でした。また、この「LAST GIGS」のドームツアーを通してこの曲の役割が変わってきたことも確かなのかもしれません。始まりの曲であったはずの「B・BLUE」の歌詞の内容が別れの悲しみの曲であることに気が付くということもこの曲の本質というものを改めて知ることになったことでした。それはひょっとすると氷室京介も観客も誰一人想像できなかったことかもしれません。

始まりの曲である「B・BLUE」が最後の曲になったことで、これまで始まりの曲としてイメージされ擦り切れるほど使われたこの曲が格を上げ、歌詞の意味がもう一度読み解かれて、曲が持つ意味合いに新しいエッセンスが加わることになりました。「B・BLUE」が最後の曲になったことは偶然かもしれないし、必然だったのかもしれないけれども、我々ファンの予想とはまったく別の所へ最後の曲「B・BLUE」は連れて行ってくれました。始まりの曲が終わりの曲になり氷室京介がループする循環をまるで輪廻転生するかのような物語の出来上がりです。

そして、氷室京介が楽屋に消えた後、「ANGEL」に乗せて過去のライブ映像が流れ、「REVOLVER」に乗せてファンの映像が流れました。

kyosuke himuro lastgigs 20160523 5 氷室京介「LAST GIGS」2016年5月23日の最終公演に行きました(感想/レビュー)

氷室京介は氷室京介を演じることを辞めました。これはデビッド・ボウイがジギーを辞めることにも似たことに思えますし、氷室京介という偶像はファンが作り上げたものと考えるなら、氷室京介を返上して永遠に残しておくということなのかもしれません。ストイックで愚直な氷室京介のことですので、もう二度とステージには上がることはない気がしています。彼はまだ55歳という若さです。肉体の維持は難しいかもしれませんが、晩年のデビッド・ボウイのように最高のアルバム作品を時折発表してくれることを願っています。

最終日はステージ裏からの観覧ということもあり東京ドーム5万5千人をステージ側から観るという特異な体験をすることにもなりました。ほんの一握りの人間しか体験することができないであろうステージ側から観るあの観客の熱狂を目にしながら、氷室京介の最後の雄姿を楽しむことができたのは幸せです。

氷室京介は我々に最後に最高のパフォーマンスを残してくれましたが、僕たちの氷室京介に最後のオーディエンスとして最高のエールを送ることができたでしょうか。

と、いろいろ書いてきましたが、氷室京介の人間性とかファンに対する思いだとかそういうのは計り知れないわけで、本当の所は誰もわかりません。ただ、個人的に氷室京介のことを尊敬している所といえばプロフェッショナルとはどういうことかということと、仕事への向き合い方なのかなと思います。

職業人として自分を顧た時にここまで仕事に向き合うことができるだろうかと氷室京介の仕事に対する姿勢から多を学ぶことができたと感じるのです。仕事人としての姿勢に影響されている部分が僕は大きいです。

■KYOSUKE HIMURO LAST GIGS セットリスト

東京ドーム
5/23(月)16:00 (OPEN) / 18:00 (START)

01.DREAMIN’
02.RUNAWAY TRAIN
03.BLUE VACATION
04.TO THE HIGHWAY
05.BABY ACTION
06.ROUGE OF GRAY
07.Welcome To The Twilight
08.ミス・ミステリー・レディ
09.16
10.IF YOU WANT
11.LOVER’S DAY
12.CLOUDY HEART
13.LOVE&GAME (Re-mix)
14.PARACHUTE
15.BNAG THE BEAT
16.Warriors
17.NATIVE STRANGER
18.ONLY YOU
19.RENDEZ-VOUS
20.BEAT SWEET
21.PLASTIC BOMB
22.WILD AT NIGHT
23.WILD ROMANCE
24.ANGEL

アンコール1
25.The Sun Also Rises
26.魂を抱いてくれ
27.IN THE NUDE
28.JEALOUSYを眠らせて
29.NO.NEW YORK

アンコール2
30.VIRGIN BEAT
31.KISS ME
32.ROXY
33.SUMMER GAME

アンコール3
34.SEX&CLASH&ROCK’N’ ROLL
35.B・BLUE

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L’EPILOGUE <通常盤> 氷室京介「LAST GIGS」2016年5月23日の最終公演に行きました(感想/レビュー)

■氷室京介に関する過去に書いた主な記事

氷室京介「全曲BOOWYの復興支援ライブ」に行ってきた

氷室京介「武道館 TOUR 2010-11 BORDERLESS」に行ってきた

氷室京介「FOLLOW THE WIND」について

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