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2016-05-29

氷室京介「LAST GIGS」2016年5月22日の公演に行きました(感想/レビュー)

氷室京介「LAST GIGS」2016年5月22日の公演に行きました。感想を書いてみようと思います。

kyosuke himuro lastgigs 氷室京介「LAST GIGS」2016年5月22日の公演に行きました(感想/レビュー)

耳の不調からライブ活動を休止するということで、最後の東京ドーム3Days公演はファンにとって特別な3日間になることは間違いなしです。氷室京介が氷室京介を演じる最後の舞台となるこの公演を大切な思い出にする為に東京ドームに向かいました。

これまでも氷室京介のライブや音源について書いてきた経緯もありますが、改めて氷室京介がライブ活動を休止するという意味の大きさに戸惑いながらもステージに立つ最後の姿を見なければならないという思いが強くありました。

氷室京介は楽曲、レコーディング、ステージパフォーマンスの全てにおいて緻密な計算をしたロックを作るミュージシャンなのですが、その彼が特定のトーンが聞こえない場合があるという耳の不調を訴えてこの「LAST GIGS」を最後としてステージには立たないという決断をしたのです。

ストイックで愚直な氷室京介のことですので、もう二度とステージには上がることはない気がしています。本人も最後という言葉を残していますし、何よりも彼の性格から最後と言えばもう男に二言はないという生き方をしてきた人だと思います。

この「LAST GIGS」というのは1988年4月4日、5日に同じく東京ドームで「LAST GIGS」という公演を最後に当時絶頂の人気であったバンドBOOWYを解散しています。氷室京介自身のキャリアにとっては「LAST GIGS」というのは象徴的なワードであると共にファンである我々にとっても人生のある時期に淡くもあり色濃くも残るワードであるといっても過言ではないのだと思います。

僕は団塊Jr世代のぎりぎり最後ですので、BOOWY絶頂期は小学校6年生の頃でBOOWYの音楽は間接的にしか聴いていませんでしたが、丁度、中学1年生に上がった頃に氷室京介ファーストソロアルバム「FLOWERS for ALGERNON」を友人から借りたことが彼を知るきっかけだったと記憶しています。

セピア色の顔写真が印象的なファーストアルバムはデビュー曲でもある「ANGEL」から始まる疾走感と勢いのある作品です。BOOWY解散後の日本の音楽シーンはバンドブームに突入していきます。この頃、バンドというものを意識して音楽を聴き始めた僕は氷室京介という人の音楽はとてもバンド的なビートに大人びた歌詞が載っているちょっと背伸びをした音楽に感じたことを今でも忘れることができません。

kyosuke himuro lastgigs 20160522 氷室京介「LAST GIGS」2016年5月22日の公演に行きました(感想/レビュー)

「LAST GIGS」の東京ドーム3Days公演の二日目2016年5月22日(日)は飯田橋駅から裏道を通って東京ドームへ歩きました。この辺りの道はずいぶん昔に毎日歩いていた場所なので懐かしさとライブへの期待が入り混じって胸が高鳴る気持ちで一杯でした。今回はチケットボードという電子チケットの仕組みでライブのチケットを購入したのですが、慣れない人が多いからでしょうか電子チケットであることでスムーズに会場に入ることができるという想像を裏切る状態で電子チケットの列が滞っていました。

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入口にはライブ開始17時の30分前には着いていたのですが、会場に入るのに15分程待つことになり結構ぎりぎりで焦ることになりました。東京ドームに入ると天井近くまでびっしりとお客さんが入っています。僕はレフトスタンド側の2階席前方でしたのでステージまではかなり遠く感じますが、この空間に居られるだけで贅沢だなと感じます。

事前に買っていた「LAST GIGS」のマフラータオルを首に巻きつけて、いざライブの始まりです。1曲目、熱狂と大合唱の「DREAMIN’」から始まりBOOWY時代の楽曲を中心に続きます。

ライブのMCの中で4月13日に発売されたオールキャリアベストアルバム「L’EPILOGUE」がチャート1位になって最後にもう一度担ぎ上げて感謝しているという内容の言葉がありました。ライブの感想は23日の記事に盛り込むこととしてこの日のエントリには「L’EPILOGUE」の感想を追加しておこうと思います。

ベストアルバム「L’EPILOGUE」はBOOWY時代の特に氷室京介が作曲をした曲のリテイクが収録されています。そして全曲がリマスタリングされているので2016年春、現在の技術を時代性を帯びた音作りに仕上がっているのです。

特に「ミス・ミステリー・レディ」、「黒のラプソディ」、「FUNNY-BOY」、「唇にジェラシー」はこの日のライブのMCにもあったように氷室京介がBOOWYの初期時代に楽曲作りに向き合った作品です。「ミス・ミステリー・レディ」なんかは80年代の音と空気感をそのままに残しつつ今聴いても十分に格好良いアレンジに仕上がっています。むしろこの4曲のアレンジは80年代と今がフィットしすぎていて凄いです。

そして、「MONOCHROME RAINBOW」、「FOLLOW THE WIND」はリミックスされています。「FOLLOW THE WIND」は過去に書いた記事のとおり好きな楽曲の一つなのですが、オリジアルバムは楽曲の音が全体的に重い曲ばかりだったせいか「FOLLOW THE WIND」のミックスも重い音に仕上がっているのですが、今回のリミックスはこの曲のバラードを引きだたせるまろやかでベーシックなミックスに変更されています。

全曲リマスタリングされていることでその詳細は未確認のままですが、何点か気になることがあるとしたら、2枚目のディスクに収録されている「ANGEL」と「NATIVE STRANGER」です。氷室京介のファーストアルバム「FLOWERS for ALGERNON」にも収録されているデビュー曲「ANGEL」のドラムは村上“ポンタ”秀一です。氷室京介と村上“ポンタ”秀一とのぶつかり合いながらもギリギリのセッションという感じで当時の録音ではかなりリズムが揺れていると思います。

ただ、「L’EPILOGUE」で聴く「ANGEL」は当時の録音からどういったリマスタリングしたのでしょうか。詳細は不明ながらも全体が均一に整えられていて何故かリズムの揺れが感じられません。若き氷室京介から熟練の氷室京介に成っていく過程でリズムや構成にこだわりつづけた結果の果てにたどり着いた「ANGEL」の一つの形なのかもしれません。ファーストアルバム「FLOWERS for ALGERNON」で聴く「ANGEL」は勢いが凄まじいですが、「L’EPILOGUE」で聴く「ANGEL」もまた氷室京介そのものなのです。

同様に「NATIVE STRANGER」も音が整えられた結果でしょうか。ギタリストであるスティーブ・スティーブンスのドライブ感満載のギターは氷室京介とぶつかり合いながらギターが曲を引っ張っていく印象を持つ楽曲です。「L’EPILOGUE」で聴く「NATIVE STRANGER」は全体のバランスが整えられてスティーブ・スティーブンスのギタープレーの良さを残しつつも氷室京介のボーカルを生かした聴きやすいバランスになっているように感じます。

さて、ライブの話に戻ることにします。前日21日が調子が良かったということでしたのでその反動でしょうか、この日の氷室京介は少し疲れているようにも見えました。最終日の23日はSHOWとしてのライブではなくファンとの対話が中心になるライブだと予想していましたので、氷室京介が作り出すSHOWとしての完璧なライブはこの日が最後になるのではと思っていましたので、声やアレンジやリズムをしっかりと聴くことに注力しました。

ここ近年、氷室京介のバンドに加わっているギタリストのYTのギターを生で観でみるのはこの日初めてでした。YTはめちゃめちゃギターが上手ですね。カッティングからリードまで全てが氷室京介が描くサウンドにマッチしています。特にBOOWYの楽曲を弾くカッティングのリズムがBOOWYのリズムを崩さないだけでなく、現在の氷室京介の求める精緻なリズムのフィット感があり、歌を邪魔しないだけどBOOWYのリズムを維持していった感想を受けました。最後の「LAST GIGS」に向かう道程の中でDAITAとYTというギターの布陣に行き着いたというのも氷室京介が人を大切にして出会いを大切にしてきた人だからなんだろうなと思いました。

「21st Century Boowys Vs Himuro」ではBOOWYとソロのキャリアでの闘いにある意味負けていたようにも思えますし、東日本大震災チャリティライブで全編BOOWYの楽曲で収益金を集めたりしてきた氷室京介ですが、アルバム「”B”ORDERLESS」とそれ以降の彼のライブ活動の中で完全にBOOWYは闘う相手ではなくなり、氷室京介のキャリアの一部として融合していったと感じています。元BOOWYの氷室京介はソロの氷室京介としての闘いに勝っただけではなく完全に融合して一つのキャリアにまとめ上げて行きました。

我々氷室京介ファンもその融合への道程の一つに加わり参加し共に歩みつづけた年月なんだなと思っています。だからこそ、アルバム「L’EPILOGUE」で、BOOWY時代の自分の楽曲を今の自分の集大成として再録音したんだなと納得できます。それがファンへの思いであり、氷室京介自身の総括なんだなと思うのです。

22日のライブはそんな氷室京介の集大成を感じることのできる素晴らしいライブでした。

■KYOSUKE HIMURO LAST GIGS セットリスト

東京ドーム
5月22日(日)15:00 (OPEN) / 16:00 (START)

01.DREAMIN’
02.RUNAWAY TRAIN
03.BLUE VACATION
04.TO THE HIGHWAY
05.BABY ACTION
06.ROUGE OF GRAY
07.WELCOME TO THE TWILIGHT
08.ミス・ミステリー・レディ(VISUAL VISION)
09.“16”
10.LOVE & GAME(Re-mix)
11.IF YOU WANT
12.LOVER’S DAY
13.CLOUDY HEART
14.PARACHUTE
15.BANG THE BEAT
16.WARRIORS
17.NATIVE STRANGER
18.ONLY YOU
19.RENDEZ-VOUS
20.BEAT SWEET
21.PLASTIC BOMB
22.WILD AT NIGHT
23.WILD ROMANCE

アンコール1

24.The Sun Also Rises
25.魂を抱いてくれ
26.JEALOUSYを眠らせて
27.ANGEL

アンコール2

28.VIRGIN BEAT
29.ROXY
30.SUMMER GAME

 氷室京介「LAST GIGS」2016年5月22日の公演に行きました(感想/レビュー) 氷室京介「LAST GIGS」2016年5月22日の公演に行きました(感想/レビュー)

L’EPILOGUE <通常盤> 氷室京介「LAST GIGS」2016年5月22日の公演に行きました(感想/レビュー)

氷室京介に関する過去に書いた主な記事

氷室京介「全曲BOOWYの復興支援ライブ」に行ってきた

氷室京介「武道館 TOUR 2010-11 BORDERLESS」に行ってきた

氷室京介「FOLLOW THE WIND」について

氷室京介「TOUR 2008 JUST MOVIN’ ON」武道館初日

氷室京介「TOUR 2008 JUST MOVIN’ ON」の初日

GLAY feat.KYOSUKE HIMUROの感想



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